2014年 夏の保全活動報告2014年08月28日 19:44

今年も夏の保全活動を行ってきました。8月23日(土)~25日(月)の日程で。参加者15名。
このところ日本各地で、豪雨や竜巻等による災害が相次いでおこっています。私たちが、巻機山へ向かう途中の高速道路走行中も(22日(金)夜)、生きた心地のしないほどの雷を伴う大嵐となり、これから行う山頂エリアでの保全に、一抹の不安を抱きました。


山頂へ向かう次の日も、全国的に大気の状態がかなり不安定となり、いつ雷が発生してもおかしくない状況でありました。そのためか、23日(土)の出発予定の朝5時ごろには、ふもとの清水では大雨となり、結果的に約2時間遅れでの登り始めとなりました。
その日は、その後幸いに雨は殆ど降らず、登攀と午後の種取り作業を行うことができました。種取りは、御機屋南面直下でヒゲノガリヤスの種子の採取です。しかしながら、その種取り作業を終了しようとした際、遠雷が聞こえたため、安全のためすぐに避難小屋へ帰りました。
また、この日は土曜日でしたが、天候が優れない予報が出ていたためか、一般の登山者はあまりいなく、避難小屋は私たちボランティアの貸切状態でした。



23日(土)の作業は、前日に採取した種の播種と、そこに緑化ネットを敷きました。場所は、8合目付近です。この日は、天候が回復し多くの登山者で巻機山は賑わいました。
この8合目付近は、植生復元エリアと登山道の区別がつきにくく、観察しているとかなりの登山者が植生復元エリアを歩いて登攀していました。これは、登山道の木階段が老朽化で破損していること、そして植生復元エリアの土止工がきれいな階段状となっていることが起因していると思われます。そのため、今回、植生復元エリアには、あえて登山者が歩きにくく感じるように、大きな石を置くこと、「植生復元中」「登山道は→」のサインをマジックで記す、登山道階段の踏面を整地する、という処理をおこないました。
それからこの日の午後は、避難小屋に隣接する今年整備した木道脇の処理を行いました。新たに設置された木道の脇の、工事による裸地化部分に緑化ネットを敷きました。これは、土壌の浸食防止、植生の誘導が目的です。土木工事業者側では、できない細かなフォローがボランティアの役割
でもありますので、このような作業をおこなっています。

8合目付近の緑化ネット敷き

植生復元中のサイン表示

8合目付近。登山道と植生復元エリアの区別。


避難小屋付近木道脇の緑化ネット敷き作業。


今回の保全活動は、天候が悪いと予想されていたため、作業がどれ程できるか、雷が発生しないか、など不安要素が多くありました。しかしながら結果的には、比較的天候にも恵まれ、作業も進めることができたことが良かったです。
また、このボランティアーズ代表の松本さんが体調不良ため、不参加でした。37年間の活動の中で、この松本さんの不参加は今回が初めてです。かなりの部分を松本さんに頼っていたこともあり、他のメンバーでしっかりと活動ができるかという課題がありましたが、みんなで協力し合い、無事に作業を終了することができました。
松本さん、来年はまた巻機山へいっしょに登りましょうね。

今回の参加者

今回の活動でご協力いただいた方々。
日本光電(株)山岳部の方々、新潟県山岳協会の方、長岡から参加の長谷川さん、南魚沼市清水の区長さん他、事務局の日本ナショナルトラスト土井さん、ありがとうございました。


なお、この景観保全の全体的な作業は、ひと段落してきたため、今年度の秋の活動は行わないこととしております。


それから下山後、麓の清水にて民宿上田屋さんの山菜だらけ蕎麦を、みんなでいただきました。
地元でとれた山菜が山盛り、文字通り山菜だらけで、下の蕎麦が見えません。ボリューム満点です。みなさんも一度ご賞味あれ。