2017年度 夏 景観保全活動報告2017年08月24日 19:05

実施日:平成29年8月20日(日)~22日(火)
巻機山入山前の天気予報では、雨か曇りということでしたが、フタを開けたら、作業後の夕方に雷雨となった程度で、結果的に全日天候に恵まれ、充実した作業を行うことができました。
ボランティアーズ関係(東京農大自然景観保全学研究室関係)、事務局の日本ナショナルトラストのスタッフと会員の方、地元南魚沼市の方や長岡市等の方、東京からの参加等、述べ10数名の参加者でした。

作業内容
●1日目 避難小屋から御機屋にかけて、自生種(ヒゲノガリヤス、ヌマガヤ、チシマザサ、ニッコウキスゲ等)の種子の採取。その後、牛ケ岳方面へ、状況確認のための散策。群馬県(奥利根側)の斜面に大きな雪渓が残っていました。


●2日目 午前 昨年に引き続き竜王平の竜王一ノ池の復元作業を実施。水面を覆っているミヤマホタルイを土と共に掘り取り、その100メートルほど上部の裸地となったガレ場に客土を行いました。面積は約5平米。 昨年度同様の作業を実施した場所は、土が流されずに残っており、土も湿り気を帯び、ミヤマホタルイが繁茂し、笹の進入が少し見られました。






2日目午後 1日目に採取した種の播種(8~9合目)。既植生復元作業地に追播種と、緑化ネットの敷設(約30平米)。
その後、群馬県側の谷川岳縦走路の確認を行いました。ここは、以前群馬県による土止め工事が施工されている場所で、利用者もほとんどいないようなので、ルートが植物で覆いかぶさっている状態でした。尾根と平行にトラバースする箇所が雪の関係か、えぐれて裸地化した個所が部分的にみられましたが、大きな植生破壊はありませんでした。




●懸案事項
竜王平の池塘脇を通る木道が、現在水没してしまっています。そのため、その水を避けるために登山者が池塘横等の雪田草原の中を通ってしまう現象が、たびたび確認できました。現地には、すでに踏み跡がついています。
応急処置として、短い木材を水没した木道の上に並べ、ルートを確保しました。
水没の原因は、40年間見続けてきた巻機山景観保全ボランティアーズの松本代表が把握していますが、新潟県環境企画課、南魚沼市商工観光課、巻機山景観保全ボランティアーズ、地元関係者等が協議して整備の方向を定めることが必要と思われます。
水没した木道

材木を並べて応急処置を実施。写真右側に登山者の踏み跡ができている。


今回の参加者の面々