保全活動 2012年夏 08/18~202013年09月01日 15:13

参加人数:33名
 入山日の午後からさっそくヒゲノガリヤスの種子採取に取り掛かりました。御機屋南面の植生復元地で旺盛に繁殖したヒゲノガリヤスの種子がちょうど採りごろとなり、ほとんどこの範囲で採取できました。ただ、2時間ほど経ってから雲行きが怪しくなり、雨具を着て慌てて避難を開始しましたが途中で激しい雷雨となってしまいました。全員事なきを得ましたが、種子の収量は予想の8分に止まったのは残念です。
 翌日、八合目から少し上った斜面で植生復元を実施しました。ここは登山道から見えない位置にあるため、私たちもうっかり見逃していたところです。作業はいつも通り〈地盤整地→ヒゲノガリヤス播種→緑化ネット被覆→既存植生の頭出し〉を行ないました。施工面積は約70平方㍍でした。
 これで、八合目からニセ巻機にかけての広大なガレ地の植生復元はひとまず完了しました。施工総面積は1500平方㍍以上と推定されます。だだし、植生回復が不成績であったり、集中豪雨で発生した土砂が回復途上の植生を埋めてしまったりと、課題は残されています。大自然を相手にした山岳保全の難しいところです。とくに近年の異常な集中豪雨は脅威で、せっかくの行為が一発の豪雨で台無しになってしまう恐ろしさがあります。
 この他には、植生回復が不成績だったところの追播種、集中豪雨で洗掘された土嚢の補修などを実施しました。
 なお、新潟県の保全事業に対応して9月半ばに予定していた秋季活動は、県事業が10月にズレ込んだため中止となりました。

種子採取(ヒゲノガリヤス)


地盤整地及び播種


緑化ネット被覆


既存植生の頭出し

植生復元完了