2018景観保全活動 夏 報告2018年08月22日 08:23

 8月19日(日)、20日(月)と実施しました。今シーズンの夏は全国的に殺人的な酷暑が続いていましたが、この活動期間は、非常に涼しく山域では寒さに震えるほどでした。麓から巻機山山頂まで約4時間の登りや、作業中の避難小屋から山頂等への往復があるため、この涼しい気候は大変ありがたかったです。
 参加者は、東京農業大学の風景計画系研究室栗田先生とその学生を中心に、地元新潟県の山岳協会の方や東京の山岳会の方、昨年たまたま居合わせて参加していただいた方、農大OB等約20名の参加がありました。


作業内容
●竜王の池付近の、木道水没の処理
避難小屋から山頂をめざし、最初の平場の池塘群を竜王の池と呼んでいます。近年その横を通過する木道が降雨時等に水没し、それを避ける登山者が植生(草地)へ入り、植生の破壊が発生していました。このままでは、復元された植生の破壊や、池塘の土手破壊による池の水の喪失等の現象が予想されます。雪田草原と池塘は、巻機山の景観要素としてとても大きなものであるため、それらの保全作業を最優先に行いました。
 作業は、水没する木道のかさ上げです。新規の木道材料を人力で用意する事は困難なため、現地材料を活用します。登山道階段にて部分的に設置したステップ用の木片を回収し、既存木道の上に鎹(かすがい)で固定します。この鎹も古くなって道に落ちているものを拾って使いました。
 あくまで仮設物であるため、豪雨や降雪等で損失する可能性がありますが、とりあえず形になったと思います。歩きにくいかと思いますが、植生保全のためこの木道を通り、植生の中にはなるべく立ち入らないように登山者の方へお願いしたいと思います。雪田草原は、踏圧に非常に弱く、一度植生が破壊されると風雨で簡単に土砂が流れ、その下のがれきが顔を出してしまいます。そうなると回復は非常に難しくなります。8合目付近や山
頂下が良い例です。皆様のご協力をお願いいたします。



●種とりと播種作業
 現地に自生している植物の種を採取し、植生復元場所へ播種します。今回は、おととしあたりから実施しているガレ場の客土場所への播種を行いました。
 竜王の池から山頂方向へ300m程の場所です。おととしから竜王の池にたまった土砂を堀、そこに客土(土も盛ること)を行い、土が流れたガレ場の植生復元を試みました。南向き斜面のため日光による乾燥や水分保持があまりない等の厳しい条件ではありますが、今のところ何とか土が残り植生もあります。

●8合目の客土の試験
 8合目から9合目の間は、登山者の踏みつけにより植生が破壊され、大規模なガレ場となっています。新潟県の階段工の工事により、そのガレ場から徐々に植生が発生している状況ではあります。
 そこへ客土による効果を見てみるために実験区を設けました。かなり大変ではありましたが、竜王の池の溜まった土砂を運びこみ、小規模ですが実験場所をつくりました。斜面で風雨のあたりも強い場所であるため、うまくいくか分からないですが、トライしました。


2018年度 景観保全活動のお知らせ2018年07月17日 05:34

●日程
8月19日(日)~20日(月) 

●集合場所
巻機山避難小屋前 19日(日)11:30/20日(月)7:30と13:00

●活動内容
播種用の種(ヒゲノガリヤス)の採取、植生復元作業等

●ご注意
天候状況により、活動を中止する場合があります。また本活動は、自己責任で行われます。天候悪化等が予想される場合は、各自で入山の中止、途中下山等の対応をお願いします。

●申し込み
巻機山景観保全ボランティアーズ 横井まで
メール makihata#asahinet.jp (#を@に変えて送信下さい)