2015 巻機山夏の保全活動日程2015年08月18日 08:04

本ブログでのお知らせが直前になってしまい、申し訳ありません。
2015年夏の保全活動は、下記の予定となっております。
天候により、変更になることもありますので、その際は携帯電話の方へご連絡下さい。

●巻機山保全活動 2015夏の予定
開催日程:2015年8月22日(土)~24日(月)
集合   :22日(土)12:00 巻機山避難小屋前
       23日(日)7:30 同じく避難小屋前
作業内容:ヒゲノガリヤスの種子採取と8合目付近への追播種等
参加申し込み:下記担当者へ連絡をお願いします。
その他:3日目の24日(月)は、本隊撤収作業のみで、保全作業はありません。
     重ねますが、天候の悪化等で予定変更、中止等があります。
     また、参加される場合は、自主的に安全確保の行動をとっていただくよう
     お願いいたします。あくまで自己責任でお願いいたします。
     保険等も自主的な加入をしてください。
担当者、連絡先:
    栗田和弥(東京農業大学) 携帯:090-7817-3018
    横井昭一(東京農業大学OB) 携帯:080-3203-0144
    ※上記2名は、活動実施期間は山中にいるため、電話が不通の可能性あり。
    その場合は、松本清(同団体代表)携帯:090-8005-2209 まで。

2015年 夏の保全活動報告2015年08月25日 21:10

日程:8月22日(土)~24日(月)
●参加者:東京農大風景計画研究室関係者9名
     巻友会1名、南魚沼の方1名、常連参加者の方々3名 計15名
●作業内容:植生裸地への播種用種子の採取(ヒゲノガリヤスの種子)
        8合目付近の裸地化エリアへの追播種及び緑化ネット敷設(40㎡)
        竜王平手前の改修された木道脇への播種及び緑化ネット敷設(20㎡)
        牛ケ岳頂上付近の木道に覆いかぶさったチシマザサの刈り取り(30M)
        牛ケ岳頂上付近のぬかるんだ登山道への踏板の敷設(約25個)

 今年の活動日は、2つの台風の影響のためか3日間ともすっきりと晴れることがありませんでした。巻機山は、ずっと霧に包まれたままで優美な姿を見ることは稀でした。しかしながら、曇りや霧雨のみで大きな天候の崩れも無く、かつ涼しく時より爽やかな風も吹くなど、作業しやすい状況であったとも言えます。そして3日目の下山時に、何とか避難小屋から稜線を見ることができました。
 このブログにも掲載しましたが、先月、南魚沼市役所会議室において、この活動についての地元の方々や常連参加者の方々等との意見交換会を実施しました。その時にご参加いただいた地元の山岳愛好団体「巻友会」、南魚沼市在住の方の参加がありました。お忙しい中、種子採取等の作業をしていただき、大変感謝しております。この場をおかりしてお礼申し上げます。

  

●御機屋直下での種子(ヒゲノガリヤス)採取
初日の作業は、次の日に追播種するための在来種の種取りを行いました。その種は、ヒゲノガリヤスです。この植物は、岩場等で最初の方に出現するいわゆるパイオニア植物であります。巻機山では御l機屋直下の南斜面に群生しており、そこで採取を実施しました。霧雨の中、10数名で約1時間の作業で、中袋一杯の種子(穂)を採りました。

●牛ケ岳へのぬかるむ登山道への木片敷設
※ぬかるみを放置すると、登山者が植生側へ入り込み、植生の裸地部分がさらに広がっていきます。それを防止するために実施しました。

 2日目の作業は、牛ケ岳へ向かう登山道のぬかるみ対策を実施しました。それには、8合目付近の木階段の踏面に適宜設置した木片をいくつか抜き取り、それを写真のように活用しました。この施業を行うことにより、登山者がぬかるんだ道を避けるために笹エリアへ侵入することを防ぎ、植生破壊を食い止める効果があると思います。

●牛ケ岳への登山道整備。笹に覆われていた木道部分を見えるようにした。
 同じく2日目の作業として、これも牛ケ岳へ向かう登山道(木道)の処理を実施しました。それは、笹で覆われた木道があり、ともすればルートが分からなくなってしまうまで、埋没していました。歩行が困難なことと、不用意に笹植生内に登山者が入り、植生の破壊が進む危険性も考えられるため、しっかりと木道が認識できるように刈り取り作業を行いました。


●8合目付近。ヒゲノガリヤスの追播種と緑化ネットの敷設。
 同じく2日目の作業で、8合目付近の裸地化したガレ場への採取したヒゲノガリヤス種子の播種とそこへ緑化ネットの敷設作業を行いました。数年前に同じ施業を行った個所で、緑化ネットが風化により消失してしまっている箇所を行いました。ネット敷設後、既存の植生を丁寧にネットから葉を出してやることにより、その生育を阻害しないようにもしました。

●最終日の朝。やっと晴れました。
 今回の活動は、入山下山日も含め3日間でありました。日帰り、2日間のみ等の参加者もありましたが、皆様のご協力で充実した作業内容となりました。重ねて感謝申し上げます。
 この植生復元作業は、新潟県庁、群馬県庁の保全工事の成果があがり、ガレ場出会った個所がとりあえずは緑の復活がかなりみられるようになってきました。今後は、それらのこまかな追播種や細かいメンテナンス作業が中心となると思われます。